紫式部や藤原道長が生きた平安時代、平泉は京都の次に栄えていた!?

はじめに

今年2024年の大河ドラマシリーズの舞台は平安時代中期。
「源氏物語」の作者・紫式部をモデルとした主人公を中心に、藤原道長が活躍した平安時代中期が描かれています。
平安時代といえば京都を想像しますが、実は時を同じくして、はるか北の地にも高度な文化が発展した都市がありました

その都市とはそう、平泉です

たった100年という短い期間ではありましたが、確かに平泉には平安貴族が暮らし、舘が立ち並び、政治が行われていました
最も栄華を極めたときの平泉の人口は約10万人とも言われ、その規模は京都に次ぐ日本で2番目の大都市だったと推察されています。

この記事では、平安時代の平泉について、当時の京都との関わりと一緒にわかりやすく紹介したいと思います。

平安時代 比較年表

平安時代はとても長い時代で、歴史の教科書にも前期・中期・後期と分かれて表示されることが多いです。
西暦では794年から1185年(または1192年)の約390年間を指します。

長く続いた平安時代の中で、平泉が東北の中心的都市だったのは1095年から1189年頃までの約100年間です。
平安時代の中では後期にあたり、鎌倉幕府が成立する直前までの時期です。

そのため、平安時代の人物として有名な菅原道真(平安時代前期)、藤原道長と紫式部(平安時代中期)よりもずっとあとの時代です。
同時代の人物では、広島の厳島神社の社殿を造営した平清盛、歴史の悲劇のヒーローとして有名な源義経、立ち往生で最期を迎えた弁慶などがいます

簡単に年表にまとめてみました。 ※年号には諸説あります。

平安時代の平泉の繁栄

平安時代の平泉が京都に次ぐ規模で栄えたのには地理的な理由があります。
この地域は当時、金を豊富に採掘することができました。また、平泉には太平洋まで続く大河・北上川が流れています。

簡単にまとめると、財政的な基盤と交易の要所という利点があったことで、繁栄することができたのです。
この恵まれた環境から、京都を通さずに直接中国と交易ができていたとも言われています。

当時の平泉をもっと深く知りたいという方は、ぜひ平泉世界遺産ガイダンスセンターへ。
奥州藤原氏の政庁・居館であった「平泉館」の様子をデジタルパノラマやジオラマで見ることができるほか、平泉の当時の暮らしぶりや交易の様子を学ぶことができます。

📌平泉世界遺産ガイダンスセンター
場所:道の駅平泉すぐとなり、平泉駅より徒歩12分
開館時間:9:00~17:00 (~16:30 ※11月~3月の場合)
休館日:毎月末日(土曜・日曜の場合は前日)、年末年始
入館料:一般310円、学生140円、高校生以下無料

平安時代を再現したイベント「春の藤原まつり」 2024年情報

現在の平泉には、残念ながら平安時代の繁栄ぶりは残っていません。
奥州藤原氏が滅亡した後、平泉を治める有力な人物がいなかったことや、度重なる火事などで当時の建造物のほとんどが焼失したたためです。
(平安時代から残る数少ない建造物といえば、今年建立900年の節目を迎える中尊寺金色堂です。)

平安時代の町並みは残っていませんが、実は、現在でもなお平泉の平安時代の様子を体験することができる特別な日があります。
平安時代を再現したお祭り「藤原まつり」です。毎年5月に平泉で開催されます。
このお祭りは町をあげての一大イベントで、総勢90人以上の演者によって平安時代の様子が再現され、当時の豪華絢爛さを垣間見ることができます。

イベントで再現するシーンは、平泉の歴史上最も重要な出来事と言っても過言ではない、「3代目藤原秀衡が兄頼朝に追われた源義経を平泉に迎え入れるシーン」です。

一日かけて約3.5kmの道を平安絵巻のような華やかな行列で往復します。
2023年の様子はこちらです。

ヒライズミーツの記事でもたっぷりと去年の様子をお届けしています。
詳細はこちら:2023年藤原まつり見に行ってきました!

2024年の藤原まつりは5月1日(水)~5日(日)の期間にて開催予定です。
平安時代を再現した行列(源義経公東下り行列)が行われるのは、毎年5月3日(金)です。
詳細が発表されましたら改めて最新情報をお届けします!
最新情報はヒライズミーツお知らせInstagramアカウントでも発信しています。

平安時代の世界観をいつでも体験できるスポット

1年中いつでも平安時代を体験することができる歴史テーマパークが平泉のとなり奥州市にあります。
歴史公園えさし藤原の郷では、日本で唯一、平安貴族の住宅や寝殿造の建物を再現した「伽羅御所」など大小約120棟の建物が建てられています。
建物の中では、時代衣装の着付け体験や弓矢、鎧などの体験をすることができます。
四季折々には、桜や藤、ツツジ、紫陽花、睡蓮、萩、紅葉などの花々も彩りを添えています。
また、藤(5月中旬から下旬)と紅葉(10月中旬から11月上旬)の季節にはライトアップも開催しています。

2月は紫式部衣装体験が開催されます。
平安貴族女性の正装・十二単を着ることができる貴重な機会です。
開催日:2024年2月17日(土)~19日(月)
開催時間:9:30~15:30 所要時間約30分
備考:当日受付・先着順。入場料のみで体験可。

📌えさし藤原の郷
場所:平泉から車で40分、水沢江刺駅から車で15分
開館時間:9:00~17:00 (~16:00 ※11月~2月の場合)
休館日:1月1日
入館料:一般1000円、高校生800円、小・中学生500円
公式サイト:https://www.fujiwaranosato.com/

さいごに

この記事では、京都のイメージが強い平安時代における、平泉についてまとめてみました。
当時の平泉がどれくらい栄えていたのか興味を持ってもらえたら嬉しいです。

参考文献
平泉関係年表 https://www.town.hiraizumi.iwate.jp/heritage/history/nenpyou.html