ジブリ映画『もののけ姫』と東北地方

突然ですが、ジブリ映画『もののけ姫』の舞台と聞いてどこを思い浮かべますか?
ジブリ作品はモデルとなった場所を公式には発表しないことで知られていて、ファンの間で推察が行われここがモデルになったのでは?とたびたび話題になります。

『もののけ姫』と言えば、公式サイトに大いに参考にした場所として屋久島と書かれています。「もののけ姫」が住むシシ神の森と森林深くどこからか「こだま」が出てきそうな雰囲気のある屋久島。
確かに、私自身も屋久島を訪れた際には『もののけ姫』の世界観を感じました。

実は、ファンの中でささやかれているもうひとつの舞台がここ、東北地方です。

『もののけ姫』の主たる舞台はシシ神の森ですが、物語はこの森からはるか遠くにある小さな村から始まります。冒頭シーンに出てくるこの村は『もののけ姫』の主人公・アシタカの出身の村です。 『もののけ姫』は日本の中世が舞台と言われていて、アシタカは北の地の果てに隠れ住むエミシ一族の長となるべくして育てられてきたという設定になっています。

ここで、エミシって?と思った方のために、エミシについて簡単に解説します。

エミシとは、かつて日本で大和政権と呼ばれる朝廷が中央権力を握っていた時代に、今の東北地方に暮らしていた人々のことをいいます。当時、大和政権は中央権力の勢力拡大を目指し、東北地方を討伐しようとしていました。その際に抵抗して従わなかった人々のことをエミシと呼び、さげすんできました。

アシタカがこのエミシの一族という設定ということは、アシタカの出身地は現在の東北地方であると言えます。 実際に映画の中で、アシタカがどこから来たのか問われた際には「東と北の間より・・・」と答えています。

また、エミシは縄文先住民と言われています。実際に、現在の北東北地方には今なお、縄文の遺跡が残っています。(2021年に北海道・北東北縄文遺跡群として世界文化遺産に登録されました。)

つまり、アシタカは縄文先住民の末裔であり、映画のシーンでもその様子が描かれています。

縄文文化のひとつである、縄文土器。

アシタカの住む村の長老であり、巫女でもあるヒイ様の後ろにある土器は、縄文の模様ととてもよく似ています。 そしてヒイ様の夜の集まりに一族の重要人物たちが集うこのシーンでは、岩の前に祭壇が置かれており、岩石信仰が見て取れます。諸説はあるのですが、岩石信仰は縄文時代から始まったという学説があります。

お待たせしました、ここでやっと平泉のお話です。

平泉には征夷大将軍に任命された坂上田村麻呂が蝦夷(えみし)を討伐し平定したことを発端に建てられたお堂があり、岩壁に沿うような形で建てられています。
『もののけ姫』をすでにご覧になった方にはピンとくるかもしれませんが、ヒイ様の夜の集まりがあった建物も、巨大な岩に沿って建てられています。
公式発表にはもちろん出ていませんが、『もののけ姫』のシーンがすぐに頭の中に浮かび、モデルにしたのかと思えるほどとてもよく似ています。

平泉の中心地から少し離れた場所にありますが、必見の地です。
平泉にお越しの際には、ぜひ探してみてください!
『もののけ姫』の世界観を感じ取れるかもしれません。

参考:https://www.ghibli.jp/works/mononoke/