映画「サンセット・サンライズ」聖地巡礼~ロケ地とともに訪れるべき場所【秀衡塗 岩谷堂箪笥 小説 原作者 楡周平 いわて未来シンポジウム】

1月17日に公開された映画『サンセット・サンライズ』。
宮藤官九郎脚本×岸善幸監督×菅田将暉主演という時点で「面白そう!」とワクワクしますが、今回は映画をもっと楽しむための“豆知識”をお届けします。これを読めば、映画館での感動が3割増し間違いなしです!

ロケ地は宮城県気仙沼市と岩手県大船渡市、劇中のキーアイテムは岩手の誇り!

劇中では、都会から三陸町に移住した晋作(菅田将暉)が、住民たちと心を通わせる中で登場するアイテムが印象的。晋作と百香(井上真央)の掛け合いの中でも印象深く描かれていて、岩手県の伝統工芸品が物語を彩っています。

これらはただの小道具ではなく、物語の鍵をにぎる!?重要な存在として使われています。

ここでは、劇中で注目すべき岩手の伝統工芸品2品をご紹介します。

落書きも愛おしい!?秀衡塗のお椀

平泉町の伝統的な漆器『秀衡塗』が映画の中で登場します。亡くなった一人暮らしのおばあちゃん家の食器棚に並ぶ秀衡塗のお椀は、長年使われて少し色褪せた様子が、昔一緒に住んでいた家族の日常や温かな思い出を感じさせてくれます。お椀の裏には、子どもが描いた落書きが残されていて、家族の思い出を感じさせられるシーンです。

このお椀、実際には【煮物椀 総洗朱 秀衡三つ雲】という逸品。栃の木を材料に、オレンジがかった朱色で仕上げられ、秀衡雲模様が三か所に配置されています。すべてが職人の手仕事で仕上げられた伝統の逸品です。

秀衡塗を体験するならココ!平泉町の『翁知屋』へGO

平泉町の老舗『翁知屋』では、秀衡塗の制作体験が可能。創業以来受け継がれてきた技法を守りつつ、現代の生活にもマッチする漆器が揃います。オーダーメイドもできるので、自分だけの特別な一品に出会えるかもしれませんよ。


翁知屋HP https://ochiya.jp/

岩谷堂箪笥、その重厚な存在感

奥州市が誇る、伝統工芸品『岩谷堂箪笥』。職人が一つひとつ丁寧に作り上げた木材の箪笥に、手彫り模様のある金具がついているのが特徴の重厚な漆塗りの箪笥。

こちらもお椀と同様、空き家対策の一歩を切り開くきっかけの品として登場。
映画には、大正時代に作られたとみられる品と映画のために新しく作られた品が使用されています。どっしりと佇むその美しい存在感には目が奪われることでしょう。

映画の原作と東北愛

さて、映画の原作を手がけた『楡周平さん』。実は岩手県一関市のご出身なんです。ベストセラー「Cの福音」を始めとする朝倉恭介シリーズの他、「フェイク」「再生巨流」「プラチナタウン」「ラスト ワン マイル」「サンセット・サンライズ」など、数々の人気作を世に送り出しています。

映画『サンセット・サンライズ』では、宮藤官九郎さんによるユニークな脚本が印象的ですが、原作には東北愛がしっかりと込められています。楡さんの作品には、東北に対する深い愛情が溢れており、映画でもその地域感が存分に感じられます。登場人物のキャラクターや小道具、食べ物など、東北ならではの風景や文化が色濃く描かれていて、親しみ感や温かさを感じます。

イベント情報

【「岩手発・世界の中の地方創生」対談!岩手県知事と楡周平さんが語る未来のビジョン】

さらに、映画ファン必見のイベントが2月8日に開催されます。
「いわて未来シンポジウム~岩手発・世界の中の地方創生~」では、岩手県知事の達増拓也さんと楡周平さんの対談が予定されています。

当日は映画で使用された『秀衡塗のお椀』や『岩谷堂箪笥』も展示されるので、映画の世界観をより深く感じられるはずです。

参加は無料で先着300名、参加希望者は以下のメールアドレスから申し込めます。
電子メール:AA0001@pref.iwate.jp

【いわて学講座】

2/14(金)~17(月)の4日間、岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」にて【いわて学講座】が開催予定です。

「サンセット・サンライズ」のロケ地になった、岩手県大船渡市と宮城県気仙沼市の特産品等の販売や、映画に登場する伝統工芸品の展示もいたします。

平泉町からは先程紹介した、映画で実際に使われた「秀衡塗のお椀を展示いたします。

映画の世界観を味わえるイベントとなっております。
お近くの方はぜひ遊びに行ってみてください!

開催期間:2月14日(金)~2月17日(月) (土日を挟む4日間)
開催場所:いわて銀河プラザイベントコーナー

【いわて銀河プラザ】
東京都中央区銀座5丁目15-1 南海東京ビル1F

さいごに

私も早速映画を観に行ってきました。コロナ禍や地方の過疎化、震災といった社会問題が背景にあるものの、そこに生きる人達の『前を向いて進みたい』という思いや葛藤が、人間味たっぷりに、そしてユーモアを交えて描かれていて、心に深く響きました。

映画の中には、コロナ禍あるあるや東北人ならではのエピソードがたくさん散りばめられていて、岩手県出身の私には「わかる、わかる!」と共感できる場面がいっぱい。笑いながら「そうそう!」と頷いたり、じんと胸が熱くなる瞬間が何度もありました。
観終わった後には、心に温かさと希望が広がる素敵なストーリーで、「本当に観てよかった」と思える作品です。

そして、この映画を観た後は、ぜひ東北に足を運んでみてください。ロケ地にもなった三陸では、新鮮で美味しい海の幸が待っています。そして、少し足を延ばして第2の聖地、岩手県にもぜひお越しくださいね。

映画と東北の魅力、どちらも存分に楽しめる素敵な旅になるはずです!